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    その外から見れば屋根と築地塀だけのやうな家の前で、三人の男が立つてしきりと話していた。

    「それは惜しかつたですな。私などとちがつて学資の心配はなかつたでせうし」

    「これからどちらへ?」

    「ほう、クレーといふのはカワラケのことかね」

    男は眼を閉ぢた。何も答へなかつた。

    「今日はえらい早いお帰りだね」

    と、いきなり突きを喰はされた練吉は、神経的にさつと青ざめながら、反問した。

    房一はこれまでにも河原町に帰つて一医者としての生涯を始めようと考へないでもなかつたが、老父の道平をはじめ伯父や身内の者すべてがさう希望していると知つたときに、唯々いゝとしてその云ふところにしたがふ気になつた。

    徳次は口のあたりをもごもごさせた。

    かまわないから開けてみろというので、男二、三人が協力して無理に第一の戸をこじ開けると、内には誰もいなかった。第二の戸をあけた結果も同様であった。その騒ぎを聞きつけて、他の客もあつまって来た。宿の者も出て来た。

    「お噂はうけたまはつています」

    「その首はどんな顔をしていた」と、友達のひとりが訊いた。

    と、今やうやく気づいた盛子が叫び声をあげた。

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